2000 VOL.109 No.1

 表紙写真
ストロンボリ火山の噴火

ストロンボリ火山(標高926m)は,イタリア最南端シシリー島の北にある面積12.6km2(伊豆大島の7分の1)ほどの小さな火山島で,ブルカノ島の50km北東に位置する.ストロンボリ火山を世界的に有名にしているのは,溶岩のしぶきを数分から数時間おきに噴き上げるストロンボリ型噴火を繰り返しているためである.写真は,標高918mの展望台から北西250mに位置する噴火口の噴火を,日没数分前に運良く撮影したものである.
ストロンボリ火山は,このような噴火をローマ時代の紀元前五世紀から(記録には残っていないがおそらくそれよりずっと前から)飽きることなく繰り返している.夜空を赤く染めるその噴火は,数十km先を航海する船からもよい道しるべとなったため,地中海のかがり火と呼ばれてきた.いつも立ち昇っている白煙が風向きを知らせるためだろうか,古代人はストロンボリ島を風の女神,アエオロスの住みかだと考えていた,これにちなんで付近の島々には,エオリエ諸島(風の諸島)という素敵な名前がついている.
この展望台からは100m下に噴火口を見下ろすことができるため,噴火を文字通り高見の見物で楽しむことができる.加えて夏には地中海性気候で晴天の日が続くため,日によっては数十人もの観光客が寝袋持参でこの展望台にやってきては,噴火を夢ごこちで眺めながら一晩を過ごす.(撮影・解説:白尾元理)

 

目 次 
English
 総 説
張 長平 空間データ分析と地理情報システム
1- 9
 論 説
岡田篤正・豊蔵 勇・牧野内 猛・藤原八笛・伊藤 孝 知多半島西岸沖の伊勢湾断層
10- 26
景山陽一・西田 眞 リモートセンシングデータと数値モデルを用いた水質分布解析(英文)
27- 36
岩ア正吾・平川一臣・澤柿教伸 日高山脈エサオマントッタベツ川流域における第四紀後期の氷河作用とその編年
37- 55
木村和雄 ヒマラヤ前縁における地形列の生成とアクティブ=テクトニクス
56-72
植村善博・岡田篤正・金田平太郎・川畑大作・竹村恵二・松浦旅人 三峠活断層系,殿田断層世木林地区のトレンチ調査と最近の活動履歴
73- 86
大崎 晃 19世紀アメリカ捕鯨経済誌─ニューイングランドにおける捕鯨業中心地形成の考察─
87- 105
北田晃司 都市間旅客流動からみた韓国都市システムの空間構造
106-119
 報 告
小口 高・斉藤享治・原 美登里・門村 浩・林 舟 扇状地データベース─インターネット・マップ・サーバーによる地理情報の提供─
120-125
 書評・紹介
126-129

 地学クラブ講演要旨

清川昌一 太古代の世界─ピルバラクラトンからのメッセージ─
130-139
 協会記事
140-141
 会   告
142
 口 絵
1
日高山脈エサオマントッタベツ川流域の氷河地形と氷河堆積物(岩ア正吾・平川一臣・澤柿教伸)
2
京都府日吉町世木林における殿田断層のトレンチ調査(植村善博・岡田篤正・金田平太郎・川畑大作・竹村恵二・松浦旅人)
3
ブータン王国プンツォリン付近の主境界断層帯(茂木 睦)