2003 VOL.112 No.4
 表紙写真
シベリア南部ゴルニアルタイ山地の景観


Landscape of the Gorny Altai Mountains, Southern Siberia

 中央アジアの主要な山地の一つであるアルタイ山地はロシアからモンゴルを経て中国へと連続する.いわゆるロシア・アルタイの中で,起伏に富む部分はゴルニ(ゴツゴツしたという意)アルタイ山地と呼ばれる.ロシア/モンゴル国境に近いゴルニアルタイ山地にはシベリア地塊を取り巻くように古生代の造山帯が発達する(詳細は本号の内尾ほか論文参照).

 表紙写真は,Akkaya川上流域の森林限界を越えた標高2500 mの尾根に露出する古い海台/海山起源の石灰岩露頭(AK-3セクション)である(2001年8月撮影).北から南方を望む.遠方に見える山地が,モンゴルとの国境地域にあたる.その東方延長のカザフスタン/ロシア国境には標高4506 mの名峰ベルーハ(Belukha;白い山の意)がある.

 氷河を持つ山岳,針葉樹林帯そして低地の草原という景観は,一見,欧州アルプスのチロル地方とイメージが重なる.しかし短い夏と厳しく長い冬という気候条件のために,人口密度は極めて低い.住民の多くは,日本人と一部ルーツを共有するアルタイ族で,羊や馬の牧畜を営んでいる.ちなみにアルタイ語と日本語とは共通の言語構造をもつことが知られている.むろん言葉での意思疎通はできないが,お互いに似た顔をもつゆえからか,珍しい訪問者である私達と彼等の間に奇妙な連帯感を感じることがある.

(写真・説明:磯崎行雄 Yukio ISOZAKI)
 
目 次 
English
本文PDF
 総 説
柏木洋彦・鹿園直建 新生代におけるグローバル炭素循環と気候変動との関係 ―CO2 は長期的気候変動の主要因か?
473-488
277KB
何 宏林・佃 栄吉 近年の中国活断層研究の進展(英文)
489-520
943KB
 論 説
早川裕一・松倉公憲 日光,華厳滝の後退速度
521-530
170KB 
後藤秀昭・堤 浩之・
遠田晋次
中央構造線活断層系・畑野断層の最新活動時期と変位量
531-543
495KB 
中村洋介・岡田篤正・
竹村恵二
富山平野西縁の河成段丘とその変形
544-562
1,127KB
内尾優子・磯崎行雄・BUSLOV, Mikhail・太田 努・宇都宮 敦・丸山茂徳 シベリア南部ゴルニアルタイ山地のカンブリア紀付加体に産する古海台/海山頂部起源石灰岩
563-585
1,286KB
木村進一・鹿園直建・
野原昌人
堆積岩の化学組成及び同位体組成より推定した古日本海海洋環境
586-607
392KB
 短 報
水野一晴 ケニア山における氷河の後退と植生の遷移―とくに1997 年から2002 年において―
608-619
254KB 
 資 料
水野一晴 キリマンジャロの氷河の縮小
620-622
51KB 
 
書評・紹介
623-630
82KB
ニュース
631
15KB
協会記事
632-640
114KB
会 告
641-645
59KB
 口 絵 
1
キリマンジャロの氷河の縮小(水野一晴)
45KB
2
ケニア山におけるTyndall 氷河の後退(水野一晴)
57KB
3
日光,華厳滝の後退速度(早川裕一・松倉公憲)
120KB
4
中央構造線活断層系・畑野断層の最新活動時期と変位量(後藤秀昭・堤 浩之・遠田晋次)
111KB
5
シベリア南部ゴルニアルタイ山地の古海台/ 海山頂部起源石灰岩の野外の産状と岩相・組織
(内尾優子・磯崎行雄・BUSLOV, Mikhail・太田 努・宇都宮 敦・丸山茂徳)
260KB