「国連大陸棚問題の最近事情」

東京大学大学院工学系研究科教授 玉木賢策氏

平成21年6月19日(金)14時から
東京地学協会講堂において

要旨
国連海洋法条約に基づく、各国の大陸棚延伸申請がこの5月12日に締め切られ、総計76の大陸棚延伸申請が提出された。大陸棚延伸申請は、海底の地形・地質条件により200海里経済水域を超えて沿岸国の海底資源開発に係わる主権の及ぶ領域を拡張できるもので、これにより世界の海底の地図が塗りかえられることになる。日本は、昨年11月に膨大な海底調査データを添えて、国連に申請書を提出した。一方、中国、韓国も東シナ海において、この5月に国連に大陸棚延伸暫定申請をし、東シナ海の経済水域境界を中間線とする見方と相容れない主張を行っている。未開発海底資源の多くが眠る北極海、南極海海域においても関連国の大陸棚延伸申請がなされ、関心を呼んでいる。本講演では、以上のような状況をわかりやすく解説し、関連したさまざまな問題を紹介する。