第315回地学クラブ講演会は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため延期いたします。大変申し訳ございませんが、ご理解、ご了承いただけますよう、お願いいたします。

 第315回地学クラブ講演会(3月)の予定が決まりましたのでお知らせします。一般(非会員)の方々も気軽にご参加下さい。多数の方々のご来場をお待ちしています。

日 時:2020年3月16日(月)14:00~15:30
場 所:東京地学協会地学会館2階講堂(東京都千代田区二番町12-2)
交 通:東京メトロ麹町駅5出口を出て左へ徒歩1分
日本テレビ(工事中)向い JR市ヶ谷駅から徒歩7分、四ッ谷駅から徒歩9分)
演 題:南極ドームふじアイスコアからひもとく地球と宇宙の歴史
講演者:望月優子(理化学研究所仁科加速器科学研究センター雪氷宇宙科学研究開発室)
要 旨:

 我々の研究グループでは、南極大陸の日本の「ドームふじ」基地で掘削されたアイスコア中の陰陽イオン及び酸素同位体比を含む様々な安定同位体比を、ドームふじアイスコアとしては初めて、約1年の時間分解能で分析している。アイスコアとは氷床から鉛直に掘削される円柱状の氷試料で、雪氷学では主に気候変動の研究に用いられている。アイスコアは過去の地球大気の情報を取り込んでおり、その深度は年代に対応して深いほど過去にさかのぼる。南極ドームふじ基地のアイスコアは、その立地的な特徴から、他国のコアにはない、成層圏大気を多く取り組む特長がある。この特長と詳細な時間分解能で精度の良い分析を行うことによって、例えば、硫酸イオン濃度変動から過去の地球上の火山噴火活動、硝酸イオン濃度から過去の太陽活動、水の酸素同位体組成から水文学上、確立している地球気温の変動を調べることができる。

 理研では、特に、太陽活動の気候変動への影響や、天の川銀河系内の超新星爆発の痕跡探査といった、ドームふじコアの特徴を生かした宇宙・天体現象に着目した研究を推進している。本講演では、我々の最近の解析からわかってきた、過去2000年にわたる地球上の火山活動、気温変動と太陽活動との関係等を中心に、地球スケールから銀河系スケールまで、現在進行中の研究、また近い将来、予定している研究について紹介する。