平成22年1月地学クラブ講演会のお知らせ
GPSによる地球科学の革新

東京大学地震研究所 教授 加藤照之氏

平成22年1月20日(水)午後2時より
東京地学協会講堂において

要旨:
GPSはカーナビなどでおなじみになった衛星を用いた位置決めシステムである.1980年代に登場したこの技術は地球科学に大きな進歩をもたらした.国土地理院に代表されるGPS全国連続観測網はそれまでの測地測量の概念を全く覆すものであり,これにより日本列島の地殻変動が時々刻々明らかになった.また,地震のメカニズムについても,地震=断層運動という基礎的理解から地震=アスペリティというより進んだ理解を得ることができ,地震発生予測への貢献が期待されている.さらには,「GPS気象学」や「GPS津波計」などへの応用も進んでいる.本講演ではGPSが地球科学にどのような革新的展開をもたらしたか概観する。