地学クラブ講演会(2009.12.18)のお知らせ
「琉球列島では第四紀に何が起きたのか?」

井龍康文(名古屋大学教授)

12月18日(金)15時30分~  
東京地学協会講堂

要旨:
琉球列島には日本本土とは異なった動物や植物がみられ,その独自性と多様性から東洋のガラパゴスと言われる.また,島々の周囲にはサンゴ礁が発達しており,陸域には化石サンゴ礁(サンゴ礁堆積物)が分布する.近年,琉球列島が島弧として成立し,独自の生物相が確立し,サンゴ礁が形成・発達してきた過程に関して,新たな研究成果が得られ,従来とは全く異なった第四紀琉球弧地史が編まれつつある.この背景には,サンゴ礁生態学,炭酸塩堆積学,生層序学といった地球科学データの高度化・集積のみならず,生物地理学による制約条件の提示がある.講演では,新たな第四紀琉球列島像が生まれた背景と最新の知見を紹介し,さらに将来の研究を展望する.