東京地学協会では、会員の有志がそれぞれの分野の中で、一般の方が興味を抱きそうな話題について講演をする「出前講座」を行なっております。下記の表でそれぞれのタイトル、簡単な内容説明、対象者などをご覧頂いた上でお申し込み下さい。お申し込みに当たっては、講師の旅費と謝金をご負担して頂くことになります。

Key Word温暖化地震火山防災地形地図土地利用地質資源他 テーマ内容小学生中学生高校生・大学生・社会人
地図:地形と防災古い地図・空中写真から把握する災害リスク旧版地形図・迅速測図・米軍写真・国土地理院の空中写真等から土地の変遷を理解し、その土地の災害リスクを知る方法を、関東地方南部を事例に解説する。
宇宙から見る地形と防災宇宙上空から地形・災害を見る高分解能衛星・航空レーザ測量・SARなどの測量先端技術を使って地形計測や災害状況把握する手法について、東日本大震災の事例を中心に紹介する
防災と土地利用ハザードマップを使いこなすハザードマップを泥縄式に使うのは,もったいないというか,マップに対して失礼ではないか.その本当の出番は居住地を選ぶときや,土地利用計画,開発・保全計画等を考えるときにあるはず. 造成宅地の地盤と災害の内容も含める.
地形と土地利用:さとやま「さとやま」を地形からみる地形を目印に,土壌・表層地質や植生等も含めた「土地環境資源」を,(今まで)使いこなしてきた結果の一つとして「さとやま」をとらえ,今,そして今後の使い方を考え始める.
海図とは海図とは―航海の安全と国家主権を支える海の地図ー海図と言う用語は、新聞紙上等に”海図なき〇〇の行くへ”などの比喩表現でしばしば登場します。しかし、一般にはなじみが薄く一度も見たことがないと言う人が多いと思われます。海図は航海に不可欠な海の地図であると同時に、領海や排他的経済水域(EEZ)などの国の領域を決める国の礎となる地図でもあります。日本は海洋国家であり、多くの人々が海図を知り、海の理解を深めて頂ければと思い ます。海の深さの測り方、海の地図の歴史、海図の特徴などを平易に解説します。
古地図:自然と人の関わり明治・大正期の古地図で地域における自然と人とのかかわりを探索調査対象地域が昔はどのような土地であったか、古地図などから現在と過去の自然環境を対比し、人間が自然をどのように改変してきたかを考える。例えば、山を切り谷を埋めて宅地や農地や工場を造成した土地、凸凹地形やがけ崩れ跡地や湧水などから災害の危険性のある区域などの読み取り。また、古地図では昔の街並み、道路、河川、湿地など土地利用の変化の様子も確認できます。
恐竜恐竜の話首長竜は恐竜ではない。イグアノドンの復元は最初とても変だった。恐竜の名前でラテン語を勉強しよう。日本には恐竜はいないと思われていた。など
ミジンコ化石ミジンコの化石ミジンコの化石がいる。ウミホタルもミジンコのなかま。ミジンコと恐竜とどちらがおもしろい。ミジンコの化石を調べると石油がわかる。など
温暖化の歴史と未来地球温暖化の歴史と未来 温暖化の歴史的背景・観測される現象・大気二酸化炭素濃度の変化・過去の気候変化の復元・温暖化の将来予測。
季節感を見直す熱帯の夜は熱帯夜か「夜は熱帯の冬である」という言説を鍵に,温帯・冷帯居住者の独善的季節感を見直す(「温暖化」にも触れるが,それを中心にした話ではない).
メタンハイドレートとは?メタンハイドレートとは何か? 地球進化と人類社会への関わりメタンハイドレートとはメタンガスと水が結合した氷状の固体物質で深海堆積物中に広く分布します。気温・水温の上昇により分解し大量のメタンガスを放出するため、温暖化を加速し、地球史おける劇的環境変動に深く関わるとも考えられています。一方、人類社会にとっては石油に変わる二酸化炭素排出量の少ないエネルギー資源として期待されています。
脱炭素とメタンハイドレート脱炭素社会におけるメタンハイドレートの役割CO2排出よる温暖化抑止のため化石燃料の使用に制限がかけられています。我が国も2030年までには排出量を46%削減することを国際公約とし風力や太陽光など再生可能エネルギーの開発を推進していますが、再エネが石油・天然ガスに置き換わるのは厳しく、原発再稼働や新設の可能性も議論されています。このような状況の中、環境負荷の小さな国産エネルギーであるメタンハイドレートの役割をもう一度考えてみましょう。
資源としてのメタンハイドレート海洋のメタンハイドレート資源の探査と資源量の見積もり日本列島の太平洋側では海底から数百メートルの深度の砂層中にメタンハイドレートが見つかっており、それらをどのように回収するかさまざまな試験が実施されています。一方、日本海側では直径数百メートル、深さ百メートルのガスチムニーと呼ばれるメタンハイドレート密集帯が多数発達します。それらの資源量は国内消費量の数十年分と見積もられています。探査と資源評価法の実態を具体例を挙げて詳しく説明します。
火山・防災日本列島における火山と噴火災害日本列島に存在する火山の概要を紹介するとともに,それにより引き起こされる火山災害の特徴をいくつかの事例を交え解説する.
歴史地震歴史地震研究の楽しみ歴史地震の研究は、思わぬ面白い発見があり、また、科学的観測だけからは知りえない地震の実態に関する貴重な情報を得ることができます。歴史地震研究の現状と、その楽しみを皆さんにお伝えできれば幸いです。
地震と土砂災害地震と土砂災害山地や丘陵で地震が発生した場合、しばしば地すべりや斜面崩壊などの土砂災害が発生します。地震に伴う土砂災害が発生しやすい場所・条件については、今世紀になって盛んに研究されるようになりました。地震に伴う土砂災害に関する研究の現状や、今後の課題、減災のためにいま何ができるか、についてご紹介いたします。
防災の知恵歴史に学ぶ防災の知恵歴史上の災害を例として、知っておくべき防災の知恵や、先人の暮らし方や教訓に込められた日本列島の自然との付き合い方についてお話します。
四国の地質四国の地質と中央構造線 四国の地質を概観し、中央構造線の形成、発達史を考えてゆく。すなわち、三波川変成岩、領家変成岩、和泉層群、久万層群。石鎚層群等の堆積から続成、変成を踏まえ、中央構造線について四国における断層露頭からその意義を考える。中央構造線付近に発達する活断層についても調査結果から地震と関連させながらみてゆく。
南海トラフ地震南海トラフ地震への備え文献からみた南海トラフ地震をベースに再来周期や被害状況を整理し、来る南海トラフ巨大地震への対応を考えてゆく。プレートテクトニクスを説明し、プレート境界地震や津波に言及した地震防災の話でもある。
四国の土砂災害四国の土砂災害についてこれまでの土砂災害の素因と誘因を検討するとともに四国の地質を概観し、気象学的、地震学的に土砂災害を考えてゆく。
地球儀の製作史地球儀とは-地球儀の分類、西欧・本邦における製作(略)史①地球儀、天球儀、渾天儀などを示した後に地球儀の形やその構成、各部について述べる。 ②西欧北米の地球儀製作史とその製作社/者を概説する。ホンデウス、メルカトル、ブラウ、コロネリ、ポコックなどの地球儀製作者について紹介する。 ③日本の地球儀製作史を概説する。ただし、要望に応じて、①,②,③の内でいずれか1件。
幕末の地球儀幕末に製作された本邦製地球儀の最高峰といえる角田桜岳の地球儀について幕末に製作された本邦製地球儀の最高峰ともみなせる角田家旧蔵の地球儀について述べる。地球儀の椅子型架台に納まる、角田桜岳とその仲間、特に新発田収蔵、浮世絵師や錺職、指物師ら職人による地球儀は、西欧製地球儀の欠陥を補う改良が見られる。なお、実質的な製作者は新発田収蔵である。
傘技術を用いた地球儀本邦及び西欧製の携帯地球儀のうち傘技術を用いた地球儀について沼尻墨僊の大輿地球儀及びBETTS社の新型携帯地球儀、とその類似品、BETTS社の旧型携帯地球儀を含め話題を提供する。ここでは、海外を含めるが、特に本邦における通説の錯誤も指摘する。
画像や彫像の中の地球儀画像や彫像の中の地球儀-情報伝達と寓意の表示としての地球儀①情報伝達と寓意の表示としての地球儀。単なる絵画でも、特に地球儀に関してはその宗教的、政治的意図が潜むこと、所謂、美術評論家の解釈とおりではないことを述べる。 ②Hitlerの地球儀。Columbus社の大地球儀及び「Hitlerの地球儀」と呼ばれる地球儀とそれにまつわる話題について述べる。ただし、要望に応じて①,②の内でいずれか1件。