地図講座2026講義A 実施報告

日時

 2026(令和8)年8月18日(火)10時00分~12時30分

会場

 リファレンス麹町貸会議室(東京都千代田区麹町3丁目1−1 麹町311ビル )

参加人数

 55名

講演タイトル

 「地理院地図で学ぶ災害リスク -WebGISの活用を通して-」

講師

 河端瑞貴氏(慶應義塾大学経済学部教授)

講演報告

 GIS(地理情報システム)とは、地上の様々な情報を電子的な地図上に表現する仕組みで、私たちの日常生活の中でも様々な場面で活用されています。2022年度から施行された高等学校の新カリキュラムにおいても、必履修となった「地理総合」の中でGISを活用することが、学習指導要領に明記されました。そこで、地図講座2026の講義Aでは、GIS教育に詳しい慶應義塾大学経済学部教授の河端瑞貴先生をお招きし、GISの効果的な活用のしかた、特に地理院地図を実際に操作しながらさまざまなツールの使い方を学び、土地の成り立ちや災害に対する理解を深めよう、という内容の講演をしていただきました。

 講義はまずGISの説明から始まり、地理院地図の具体的な使い方に多くの時間を割いていただきました。ときどき、参加者全員がWebにつないで指定したものを見つけるなど、たくさんの実践課題が用意され、参加者は実践的な体験をすることができました。特に自然災害のリスクを地理院地図から読み取る方法や、避難場所とそこまでの経路を読み取る訓練など、自然災害にいつ直面するかわからない私たちにとって大変有益な情報を、丁寧にご説明いただきました。50名近い参加者は、中高生や大学生から上は80歳代の方まで幅広く、学校の教員も多く参加してくれましたが、それ以外の方も多く、実に多様な方々が熱心に聴講していました。実際に手を動かし、周りの人に説明する場面も多く、質疑応答も活発に行われ、熱気も感じる盛り上がった講義となりました。講師を引き受けていただいた河端瑞貴先生には、心より御礼申し上げます。

 参加者の感想(アンケートから抜粋)

  • 地理院地図の操作方法について詳しく教えていただき、防災方面での利用・活用法や、断面図作成の方法が学べて、とても面白かった。
  • 地理院地図とハザードマップを組み合わせて複合的に災害リスクや避難経路を検討する大切さを学びました。
  • 実践をしながらの講座でとてもためになった。
  • 日頃何気なく使っている地理院地図ですが、防災と関連させることができ、大変役に立ちました。
  • 地理院地図を「災害を予測する道具として使う」視点が得られました。
  • 豊富な内容を講師の河端先生がわかりやすくまとめてくださり、理解しやすく素晴らしい講義でした。

地図講座2026講義B 実施報告

日時

 2026(令和8)年8月18日(火)14時00分~16時30分

会場

 リファレンス麹町貸会議室(東京都千代田区麹町3丁目1−1 麹町311ビル )

参加人数

 55名

講演タイトル

 「東京低地の沖積層と最終氷期以降の古地理変遷」

講師

 小松原純子氏(産業技術総合研究所 地質情報研究部門 副研究部門長)

講演報告

 午後の講義Bでは、産業技術総合研究所の小松原純子先生をお招きして、ご自身が長年研究されている東京の沖積層についてお話しいただきました。最終氷期以降に堆積した沖積層は、一括して「縄文海進期の浅海層」と扱われがちですが、小松原先生はその中にもさまざまな事象が読み取れることを説明していただきました。1本1本のコアから読み取れる詳細な情報から、東京の古地理がどのように変遷してきたかを、カラフルな図を使って大変わかりやすく解説していただきました。後半では、東京低地で掘削したボーリングコアの剥ぎ取り標本を参加者全員で観察しながら、ここでどんなイベントが起きたのか、など具体的にご説明いただきました。実際に砂や泥が触れるリアルな実物標本の迫力に、参加者は興奮しながら観察し、解説に耳を傾けていました。最後にWeb上で見られる地質の情報とその操作法などを教えていただき、3時間に迫る講演が終了しました。アンケートからも、東京の地下に潜む歴史を読み取れた充実感と、実物の剥ぎ取り標本に触れられた興奮が伝わってきます。講師を引き受けていただいた小松原純子先生には、心より御礼申し上げます。また、午前から夕方まで運営にお手伝いいただいた行事委員の皆様にも、感謝申し上げます。

 参加者の感想(アンケートから抜粋)

  • 実際のボーリングコア(標本)が見られ、海進・海退の様子が視覚的によくわかり、非常に面白かったです。
  • ボーリング調査に基づいて、東京低地の古地理を復元する内容は、説明が初学者にもわかりやすく、非常に興味深かった。
  • 剥ぎ取り標本が本当に迫力があった。実物を見られて良かった。
  • 昨年の(この地図講座の)3次元地質図の講義を聞いた上で、今回の東京沖積層の説明と実物に触れたことで、東京の地下についてさらに理解が深まった。
  • 縄文海進が、世界中では通用しない言葉だと知って、とても勉強になりました。
  • 幅広い年代層の人が参加されていて、とても興味深い企画だなと感じました。

文責 行事委員 杵島正洋